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時は平成、東京都世田谷区代沢5丁目にその娘は生まれた。

「素直で美しく育って欲しい」という両親の強い想いから「ジェット花子」と名付けられたその娘は演劇の世界に身を投じ、いつしかこんな事を思うようになる。「いつか自分で劇団を立ち上げて、脚本とかも書いちゃってメタクソ有名になってスゲー金持ちんなりてぇな…」

 

時は流れ、ドリフターズが最後に全員集合した正にその瞬間ジェット花子は初めて恋をした。

男の名は「ぐみ沢」。当時同じ劇団に所属していた詐欺師だった。

 

ぐみ沢に20万円ほど詐欺られた後、ジェット花子はこう思う「これがフィアンセってやつですかい…」

 

そして二人はmisono率いるデイアフタートゥモローの解散をきっかけに共に暮らすようになり、順風満帆な生活が続いていくかのように思えた次の瞬間悲劇は訪れた。

 

ジェット花子、死亡。

 

睡眠時、床下から伸びてきたタケノコに頭を貫かれた。即死だった。

 

ジェット花子の死を悼み途方に暮れていたある日、ぐみ沢は死の前日ジェット花子が大事そうに押入れにしまっていたミカン箱の存在を思い出した。

取り出して開けてみるとそこにはぎっしりと詰め込まれた【タイトルだけしか書かれていない大量の原稿用紙】と一枚のメモが置かれていた、心の中で何度もジェット花子の名前を叫びながら手に取ったメモにはこう綴られていた。

 

「日高屋★★★★★ めちゃくちゃうめー」

 

ぐみ沢はジェット花子が遺した大量の原稿用紙を抱きしめ、泣いた。

そして決心した、この一つ一つのタイトルから綴られていたであろう物語を完成させる事で、ジェット花子との恋を繰り返し、いつか彼女が夢に見た景色の中で、ちゃんとさようならを告げようと。

 

斯くしてぐみ沢は「有村昆が好き」というmixiコミュニティのメンバー全員とこの劇団ジェット花子を立ち上げる事となったのであった。

 

ぐみ沢

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​「劇団ジェット花子」ってなあに?

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